
ホームシック

植田紫帆(オダウエダ)
第7話 明日のパンを買いに
4軒目の家は小学校から割と近いところだったので歩いて学校に通っていました
その前の家では私立の子らしく、お母さんの運転でエルグランドに乗っけてもらって通っていたので、1人で登校するようになったのはこの頃からです
弟は公立だったのですが私はありがたいことに私立だったのでグループで登校することは無く、20分の距離を1人で登校してました
当時はまだケータイも無く、iPodなどの携帯ミュージックプレイヤーなんてもの自体存在しなかったので黙々と1人で通学してました
後輩のstand.fm聴きながらエゴサに明け暮れる今じゃ考えらんないですね
でもほんとにまぁ近くなったとはいえ遅刻常習犯ではあったので、しょっちゅう徒歩20分ちょいの距離を車で送ってもらってました
ありがたい限りでございます
ただ、お母さんと喧嘩して家を飛び出した朝もエルグランドを使って通学路を捜索し追いかけ回されたのはトラウマです
ブチギレの母親が乗るエルグランドから逃げながら学校まで向かう恐怖は計り知れないものがありました
『逃走中』が始まる何年も前の話です
それから25年、オダウエダはまだ『逃走中』には出ておりません
『クイズ・タイムショック』には出ました
タイムショックは出れるんかい
その通学路の途中にパン屋さんがあり、そこが町のパン屋さんという感じでめちゃくちゃ好きでした
給食ではなくご飯を自分で持っていくタイプの学校だったので通学途中に買ったり、
前日にお母さんと明日のパンを買いに行ってました
明日のパンって関西特有の表現なんですかね
好きな言い回しです
明日のパン、過去のうどん、刹那のいなり
パン屋の話に戻りますが
今でもたまに思い出します。
そこのパン・オ・ショコラとピザパンが大好きでした。
で、その向かいに駄菓子屋さんがあり、そこもめちゃくちゃ好きでした
なんで子供の時はあんなに魅力的だったのでしょうか
子供の時は駄菓子屋さんとゲーム屋さんが好きすぎて鳥肌立っていました
今、駄菓子屋さんに行ってもそんなことはないのですが
ゲーム屋さんはまだまだビンビンに鳥肌立ちます
ゴースト・オブ・ヨウテイ楽しみ〜
そんな最高なパン屋と駄菓子屋さんのある通りなのですが一個、嫌なところがありまして
駄菓子屋さんの隣にたばこ屋さんかなんかそんなお店だった気がします
しっかりとは覚えてないのですが、店先に下着とか干す用の洗濯バサミがいっぱいついたやつを吊り下げてまして、その洗濯バサミになんかようわからんものを干していたのですがそれがなんかようわからんのですが
茶ばんだ殻から幾つもの長くのたうち回るような絡みつくような触手が伸びてており、
私の苦手なかたつむりそっくりでめちゃくちゃきっしょかったんです!!!
めちゃくちゃきしょかったです!!!
でっかいソレそのものであれはなんだったんでしょうか
見たくはないけど認識はしたいので
エルグランドの窓から細目で正気度をゴリゴリに減らしながら物体を確認したところ、殻みたいな部分は球根の様で触手はほのかに緑色を帯びており、ツタのようでした
多分植物だと認識し、少しほっとしたのですが
どちらにせよ、あんな気持ちの悪いものが存在していることがめちゃくちゃ嫌でその道を必要な時以外は通らず、通らないといけない時は目を背けて視界に入れないようにしていました
大人になってから一度、あれの正体を検索したことがあったのに記憶から消してしまったみたいで名称も忘れてしまったのですが、あれはこの世に存在します
また視界に入れてしまうのが嫌なのでもう検索はしないですが
ちなみに前回話題に挙げた、家で飼っていたデカい金魚の正式名称は「獅子頭」というそうです
脇田さん、浜中さんに会う遥か昔に「シシガシラ」には出会っていたようです