田辺さん名言集 Time is Sweets~時はマカロン~

酒寄希望(ぼる塾)

第8話 「詳しくないと好きって言っちゃいけないって日本人の良くないところだよ」

みなさんこんにちは。ぼる塾の酒寄です。

私の相方田辺さんの名言を通してみんなで気楽になろう!というこの連載。

今回の名言はこちら!

 

詳しくないと好きって言っちゃいけないって日本人の良くないところだよ

 

突然ですが、みなさんに質問です。

 

「自分は〇〇が好きだけど、これくらいだと好きって言っちゃいけないのかな?」

 

そう思うことはありませんか? 以前のわたしは思うことが多く、自分の好きな物の話題になったとき、変な言い訳をしていました。

例えば、

 

友人「酒寄さんって(某人気作品)好きなの?」

私「好きだけどでも全然好きって言えないかも! 原作は読んだけどアニメは未視聴だし!」

 

友人「酒寄さんってスパイスカレー好きなの?」

私「好きだけどお店に詳しいわけじゃないし、自分で作ったりはできないから全然だよ! 全然!」

 

自分の心の中では間違いなく【好き】なのですが、私レベルで果たして好きだと言っても良いのかと思い、自ら好きという気持ちを否定するようなことをしていました。

 

そんなある日のことです。田辺さんと雑談していると、私が昔からよく曲を聞いていたアーティストを田辺さんも好きだったことが発覚しました。

 

田辺さん「酒寄さんも好きなの?」

私「うん! あ、でも! 曲は好きでよく聞くけどライブは一回しか行ってないし好きって言ったら怒られるよ~」

田辺さん「誰に怒られるのよ」

私「だって好きな人ってもっとライブに行くとか情報チェックとか頻繁にするでしょ」

 

田辺さん「あのね、詳しくないと好きって言っちゃいけないって日本人の良くないところだよ」

 

田辺さんは言いました。

 

田辺さん「好きと詳しいって一緒にしないほうが良いよ。私はもう別ジャンルとして考えているよ」

私「詳しいって好きな気持ちの上位じゃないの?」

田辺さん「いや、好きは好きって気持ちだけで存在するよ。それと別に詳しいがあるのよ。もちろん、詳しい人は立派だと思うよ」

 

田辺さん曰く、「でもそれが自分の好きを否定することにならない」と言うのです。

 

田辺さん「私は『よくわからないけどなんか好き』の『なんか』の部分って大事だと思うの」

私「なんか好きってわかる。私もよく思う」

田辺さん「その『なんか』って自分の魂の部分が揺さぶられたってことだよ!」

 

田辺さんは格好良く「なんか」の部分を表現してくれました。

 

田辺さん「私はたくさん好きな物があるけど、どれも詳しくはないよ」

私「でも、田辺さんスイーツとか詳しいよ」

田辺さん「本気で詳しい人と比べたら問題外よ。でも、私は自分がスイーツ好きだって言うし、他の好きな物も好きって言ってくよ。だってね」

 

田辺さんは、「これから大事なことを言いますよ」と、いう感じでたっぷり間をとってから言いました。

 

田辺さん「日本には『すごい』って言葉があるの」

私「あるけど」

田辺さん「詳しくないと好きって気持ちがうまく表現できないかもしれない。でも、『すごいの!』って言えば良いの」

私「こいつ『すごい』しか言わないって思われない?」

田辺さん「でも私にも情熱がある!『すごい』しか言わないって思われても、それなら『すごい』って50回言えば良い! 100回言えば良い! 酒寄さんも私からの大量の『すごい』を浴びて、それだけ『すごい』なら見てみようって思ったことない?」

私「ある!「KING OF PRISM」と「ゲゲゲの謎」は田辺さんの『すごい』で見たよ」

田辺さん「で、すごかったでしょ」

私「すごかった!」

田辺さん「色々言ったけど、好きって自分の感情なんだから自分で決めて良いのよ。詳しくなりたかったら詳しくなれば良いし、なんか好きのままでも良いし」

 

私は田辺さんとのやり取りがあってから、素直に好きな物を好きと言うようになりました。だって私の魂の部分が揺さぶれたんですから! そして言ってもとくに問題ありませんでした。

 

おまけの後日談。

 

私「最近、田辺さんは好きな物がお仕事になっているけどどう?」

田辺さん「本当に好きだけで仕事しているよ。引き受ける前に、『好きなだけで詳しくないです』ってきちんと伝えている。嘘ついたことは一度もない。で、「それで良いです」って言われる。詳しい人が必要なときは私じゃなくて詳しい人が呼ばれている。やっぱり、好きと詳しいって別で考えて良いんだなって思ったよ。だから、好きなのに詳しくないは問題なくて、好きなのにマナーが悪い人を問題にした方が良いと思うよ