
拡散される私日記

橋本大祐(ホテル)
第2話 私の人生はイージーモード
2025年7月7日
あれから2ヶ月が経った
リハビリは十分やって
普通に歩けるようにはなった
でも何もすることがない
もちろん大学には行かないといけないし
もう少ししたら期末テストだ
結局バスケ部も辞めた
全てがどうでもよくなった
カリンには泣かれた
まぁ自分がさせた怪我で
私が引退したと思ってるからね
でも実は違うよ
元々興味がないだけ
でも辞めたら辞めたで何もしてない
バスケもバイトしてない
部活もしてないから親からの
お小遣いも貰えなくなった
ただただ金が必要な生活になった
なんかいいバイトないかな?
割りのいいバイトが
2025年7月10日
今日、新しいバイトに行ってきた
超短期の神バイト
ジジイとご飯食べるだけで2万円貰った
もうマジで最高
はい。そうです。パパ活です。笑
マジで人生簡単
こんなの絶対バイト出来ない
もう次の予約も取れたし
これでまた2万手に入る
この人は70歳くらいの人で
もう性欲も何もないけど
可愛い女の子とはご飯が食べたいそうなの
手さえ触れずに2万なんて超お得!
マジで人生ちょろい
バスケなんかよりも余裕で楽しい
さようなら! 私の青春!笑
2025年8月7日
ジジイとパパ活をし始めて1ヵ月が経った
本当に手も出してこないし
ただ食事するだけで2万円
美味しすぎる
バスケもやめて
仕送りも止まって
彼氏にも振られて
絶望的な状況だったけど
案外やっていける
何ならジジイに家賃も払ってもらってるから
本当に遊ぶ金だけが増えていく
Xとか見るとみんなパパ活してるけど
可愛い子はなんでこれしないんだろう?
って逆に思うくらいコスパいい
とりあえず大学4年間は
これでやっていこうかなと思う
2025年8月10日
今日もパパ活をしてきた
相変わらず何もしてこないジジイだけど
ある提案をされた
「もっと稼ぎたくない?」
正直このジジイは金払いはいいけど
1週間に1回だけだから
2万×4回で8万にしかならない
ものすごくコスパが良いだけで
満足するぐらい稼げるとは言えない
家賃全額払ってもらえてるとは言え
中々コイツだけじゃ厳しい…
そんな中、もっと稼げる人を
紹介してくれるとの事だった
その男はそのジジイの知り合いで
信頼できる人物らしい
早速、明日会う約束をした
どんな太客になるか楽しみだ
2025年8月11日
ジジイが紹介してくれたアサダという人物に会ってきた
何の仕事してるかわからないけど
何かで成功しているらしい
年齢は32歳と言っていたけど
それよりも若く見えた
というか見た目も悪くない
なんならレベル高い
ジジイと同じで食事をするだけで3万円も貰えた
ジジイよりも話が面白いし
1万円も多いからかなりテンション上がった
ジジイには継続的に会って
2万を回収しながら家賃を払ってもらいたい
それでこのアサダにもサポートしてもらって
今よりもワンランク上の暮らしをしたい
怪我の功名と言うべきか
バスケでカリンに足を踏まれて
大怪我をしたけど
こうやって金持ちに出会うことができた
ユウタにフラれたのはショックだったけど
実家が太いだけで今は金持ちじゃない
このアサダに気に入られたら
私は楽して生活ができると思う
というか確実にそう
明日また会う約束をしたので
そこで彼氏になってもらうつもり
改めて思った
私の人生はイージーモードだ
2025年8月12日
アサダとホテルへ行った
遊び人だということは知っていたが
本当にそうなんだと実感した
でも悪い気はしなかった
まず清潔感があるし
金持ちだから心の余裕もある
誘い方も紳士的だったし
行為自体もそれなりに良かった
ジジイには内緒にしてほしいらしい
それぐらい私のことを気に入ったみたい
女子大生としたのも
かなり久々みたいで
かなり満足してくれた
私が付き合いたいと言うと
もう少し待ってほしいと言われた
どうやら今仕事が忙しくて
かなりバタバタしているらしい
それが少し落ち着いたら
私との交際も始めるらしい
これは期待してもいいと思う
ちなみに今日は10 万円も貰った
本当に人生楽勝だ
2025年8月21日
最悪な事態が起きた
アサダとの行為がジジイにバレた
どうやってバレたか知らないが
ジジイはかなり怒っていた
怒っていたというよりガッカリしていた
お前が紹介したんだろ!
と心の中で思っていたが
さすがに口に出すことはできなかった
いくら謝罪しても許してくれる気配はなく
私は絶縁されてしまった
絶縁ということは毎週の会食も
家賃の支払いも全てされないということだ
さすがにそれは困ると言ったが
向こうは聞き入れてくれなかった
そもそもこの契約は私がお願いしてる立場で
向こうがNOと言った瞬間
すぐに破綻してしまうのだ
何をどうすればいいかわからないので
アサダに連絡してみたが応答がない
仕事で忙しいのかわからないが
彼女になる女が泣いてるのだから
すぐに反応してほしい
とにかく頼れるのはアサダだけだ
2025年8月23日
2日間もアサダと連絡が取れない
いくら仕事が忙しいと言っても
これは明らかに異常である
ジジイの圧力がかかったものだと
私は推測する
それぐらい不自然だ
となると本当に手詰まりになる
それなりの収入が入る予定でいたので
クレジットカードもかなり切ってしまった
今月の収入がゼロになると
来月の支払いができなくなる
本当に困ったのでジジイに再度連絡してみた
すると連絡がつながって
明日会うことになった
許してくれるまで…
お金を支払ってくれるまで…
明日は頭を下げ続けるつもりだ
2025年8月24日
人生で1番辛い日だった
なんであんなデブとやらないといけなかったのか…
しかも記録されていた
個人で楽しむ用と言っていたが
拡散されない保証は無い
本当に不安だ
何があったかというと
当日指定されたビジネスホテルに行った
当然ジジイが中で待っているものだと思ってた
しかし待っていたのは
細身でロン毛の男性とハゲたデブだった
どちらも年齢は30歳後半から40歳で
私が部屋に入ってた瞬間
「まじかわいいじゃん。今日は大当たり」
と言っていた
最初は何のことか分からなかったが
ジジイからかかってきた電話で
「裏切った責任を取れ」
と言われて全てを察した
本当に逃げ出したかったけど
怖くて体が動けず男達に
言われるがまま行動した
ベッドに腰掛けるように言われて
私の横にデブが座ってきた
怖くて動けなかった
とっさに距離を取ろうとしたが
腰を掴まれてグッと引き寄せられた
前に立っていたロン毛が
カメラを起動し始めて
「名前はなんて言うのかな?」
と私に問い出した
「カメラ回さないでください」
そう言ったが「記録用だから」と返答されて
気づけば本名を言っていた
そこからの事はもう書きたくない
それくらい嫌な1時間だった
今まで相手にしてこなかった
顔面偏差値の低い奴らに
好き放題されてしまった
「やめてください」
「家に帰してください」
と言ったが許してくれなかった
全てが終わって放心状態の私に
現金30万を渡して2人は去っていった
本当に最悪の1日だった…
2025年8月25日
翌日ジジイに文句を言おうとしたが
音信不通でつながらない
デブとロン毛に関しても
連絡先を一切聞いていないので
訴えることすらできない
ただ仮に連絡先を知っていても
こちらから連絡する勇気は無い
思い出したくもない1日だから
昨日のがどうか拡散されませんように
そう祈りながら大学に通っていた
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次回は8 月20日(水)アップ予定!
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