
ホテル 橋本の裏日記図鑑_裏垢女子編

橋本大祐(ホテル)
第4話 だから大丈夫なんです
「裏垢女子日記」 斎藤結奈
2024年10月28日
1週間ぶりに日記を書きます
私は実家へ帰って父と母の手伝いをしました
もう東京は懲り懲りです
と言っても地元でもあまり家を出ていません
やはりまだ外が怖いです
誰が私のどの部分まで見たのか
その事を考えると少し精神的におかしくなります
明日また精神科の先生に診てもらいます
精神的に復活したらまた1から頑張りたいと思います
今思うとあの裏垢女子から全てが狂いました
身バレしない程度にやっていたら
こんな事にはなってなかったのでしょうか?
まぁ…そんな事考えても意味ないんですけどね
ちなみに私の動画なのですが
完全に削除は難しいそうです
そのサイトのサーバーのプロバイダー自体が海外にあって削除申請を受け入れてくれるか不明だそうです
またもし仮にそのサイトで削除されたとしてもまた別の同じようなサイトでUPされるケースが後を経たないようです
こういう動画は一旦UPされると誰かが動画を保存するんだそうです
そうされてしまうとまた簡単にUPされるんです
なのでもう諦めました
名前も本名じゃありませんし
あの動画を見た事あるくらいなら
私と同一人物と気付く人はいないと思います
だから大丈夫なんです
2024年10月29日
元カレに彼女ができてました。
今日たまたまインスタを開いたら
元カレに年下の彼女が出来てました
私はコイツにフラれたショックが原因で
裏垢を始めることになったんです
私は裏垢女子がキッカケで不幸になりました
でも写真に写るコイツは幸せそうです
こんなのあり得ますか?
自分が幸せになるためなら
私はどうなってもいいんですか?
本当にムカつきます
コイツにフラれさえしなければ…
コイツが存在してなければ…
書いてる今でも怒りが沸々と煮えたぎってきます
2024年10月30日
先ほど警察に注意されました
おかしいです
私は何も悪くないのに
悪いのは元カレの方なのに
ただ真実を確かめに行ったんです
ただそれだけなんです
それなのに警察を呼ばれました
それで私は警察官に取り囲まれて
まるで重罪を犯した犯人のように扱われました
もし次接近したら逮捕されるそうです
今回は厳重注意で終わったそうです
私は全く悪いと思ってませんけど
アイツのために捕まるのは嫌です
なので忘れることにします
今冷静になって考えてみると
承認欲求とは一体なんなんでしょうか?
私は学生時代から今に至るまで
ずっと上手くいってきた人生です
勉強をすれば100点取れましたし
恋をすればその人を彼氏にしてきました
親からも十分すぎるほど愛情を注がれた私は
もうこれ以上の承認欲求は必要ないとさえ感じます
ただSNSは違います
あそこはもっと注目されたいというアドレナリンのようなものが出てくるのです
まるで人格が変わったように
私が裏垢女子をしていた頃なんかまさにそうでした
バズるためにはどうしたらいいか
いいねを増やすには…
フォロワーを増やすには…
そんな事ばかり考えていましたが
挙げ句の果てには全然好きでない男性から
「ホテルで待ってなさない」
と言われて興奮してる自分がいました
今考えると何と愚かなと思うのですが
当時は本当にドキドキしていました
「あの人の人生の中で私が生き甲斐なんだ」
そう自分に言い聞かせることで
私自身も生き甲斐を感じていました
結果あんな事になったにも関わらず
少しだけいい体験をしたととも思っています
おかしいですよね
日記はこれで最後にします
これを見ている方に伝えたいです
承認欲求を満たすために何かしている人は
地獄への階段を一歩踏み出した事なんだと考えてください
それでは失礼します
斎藤結奈
次回からは日記シリーズ新連載がスタート!
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