俺は人間に向いていない
チャンス大城
第8話 俺は人間に向いていない 〜2人の天使編
先日
藤山直美さんと
寺島しのぶさんの舞台に
映画
『カラオケ行こ!』で
共演させて頂いた
同じ祭林組の組員
銀次役の吉永秀平さんが出てるので
観に行った
素晴らしい舞台だった
終わりに
吉永さんと
ご飯を食べに行った
吉永さんに
伝説の喜劇王
藤山直美さんの
お父さん
藤山寛美さんの話をきいた
藤山寛美さんは
本当に羽振りがすごすぎて
破天荒で
高級時計
高級靴など
なんでも人にあげたり
新幹線を全車両貸し切って
たくさんの舞妓さんを呼んで
宴会をしたり
ホテルのボーイに
新車の鍵を渡して
そのまま車ごと
ボーイにあげたり
とにかく借金が
もうケタ違いにあり
しまいには
借金取りが舞台の袖にくるのだ
藤山寛美さんが
逃げないようにだ
藤山寛美さんは
「俺は逃げも隠れもしないから!!」
藤山寛美さんは
松竹新喜劇の看板座長
お客さんは
藤山寛美さんを観に来ている
えげつない爆笑王
袖にゴリゴリの暴力団
借金取りに
少しでも絡みたくなくて
藤山寛美さんは芝居を
アドリブで引き伸ばすみたいだ
藤山さんの相手役の人は
台本にない事を
バンバン言われるから
背筋伸びただろう
藤山さんは
舞台上で後輩の役者さんに
江戸時代の死刑囚の話をしだした
台本にはない
「2つの井戸」
という話だ
処刑場に
死刑囚を駕籠(かご)で運ぶのだが
駕籠は
2人で運ぶ
よく時代劇に出てくる
人を運ぶものだ
処刑場に着く前の
最後の村で
死刑囚に
井戸水を飲ますのだが
毎回恒例になっていて
ある日
村の人が
いつも
死刑囚に飲ませてる井戸水が
不吉で飲みたくなくなると
新しい井戸を掘ったのだ
今までの井戸は
死刑囚専用にしたのだ
ある日
夕焼け空の下
また駕籠がきた
そして
死刑囚の専用の井戸の前に
高齢の女性が一人たっていた
死刑囚のお母さんが
柄杓(ひしゃく)を持って
立っていた
我が息子に
もうすぐ
この世からいなくなる
息子に
最後の水を
お母さんが息子に飲ましに来てるのだ
しわしわの顔
しわしわの手
腰の曲がった
お母さん
死刑囚だとしても
お腹を痛めた
かわいい息子に違いない
なぜ
こんな事に?
貧乏で
外でずっと働いてて
息子をかまってる時間がなかったとか
色々な事を思って
後悔の念で
お母さんは
その場で立ってるのが
やっとなのかもしれない
そんな
死刑囚の
最後の水の話をしていたら
袖にいる
暴力団の借金取りが
号泣してるのだ
藤山寛美さんの
「2つの井戸」の話で
藤山寛美さんってすごい
芸人中の芸人
僕も
この文章を書きながら
泣きそうになってる自分がいる
僕は
芸人として
今破天荒なのか?
いや
小さい事で
いつもクヨクヨして
芸人の前に
男らしくない
そりゃモテないわなぁ
この
「2つの井戸」に出てくる
お母さんではないが
最近
僕は
2人の人情あふれる女性にあった話を書きたいと思います
僕はダウンタウンさんの配信番組
ダウンタウンプラスの中のコーナー
「Money is Time」
という身体をはるコーナーに出た
このコーナーは
何とか出来たら何万円とか
交渉して
成功したら
お金をたくさんもらえるのだ
このコーナーで
僕は20キロの重りを
右腕につけて
お箸で
豆をひとつ移動するたびに
2万円もらえるという交渉を成功させ
10粒運んで
20万円獲得した
この日はトークもうけまくった
そしてエンディングで
熱々の100℃のブクブク沸騰した鍋に入ってる
おでんの
餅巾着を食べれた物には
これまでの
みんなで稼いだ賞金を
独り占めするという企画になっていた
僕と
インポッシブルのえいじくん
ジェラードンの西本くん
3人で挑戦
司会の陣内智則さんが
僕達三人に
「今、97℃やから、100℃になったら餅巾着を食べるからな」
そして
温度計が100℃になった
僕は
お箸で
餅巾着を口に持っていった
「あつ!!!!!!!!」
餅巾着をはじきかえしてしまった
インポッシブルえいじくんも
はじきかえしていた
口に電気がはしったというか
信じれない痛みがはしった
審査員の
松本人志さん
山田邦子さん
ダイヤモンド☆ユカイさん
渋谷凪咲ちゃんは
ジェラードン西本くんのほうをみていた
西本くんは
餅巾着を口にいれて
「うぉ!!!!!!」
と叫びながら飛び跳ねていた
かっこよかった
そして
背中に
娘さんの顔がみえた
西本くんは
食べきってスターになっていた
僕は 無茶苦茶悔しかったけど
悲壮感を出したらダメだと
収録終わり笑顔を保った
西本くんに
幼い娘さんいる? と聞いた
「いますよ!!」
と言った
僕は結婚してるのも知らなかったんだが
餅巾着を口に入れて飛び跳ねてる時に、
背中に幼い娘さんの笑顔が見えた
50年の人生で
こういう事は初めてだ
僕は
笑顔で
スタッフの皆さん
芸人さんに
「お疲れ様です!!」
と言って
タクシーに乗った
スタッフさんに
笑顔で手を振った
タクシーが動きだしたとたん
「はぁーー! くそ!!!!!!」
叫びながら
うなだれた
僕がずっと
悔しがってるから
60歳くらいの女性のタクシー運転手さんが
「お客様、あの、すごく苦しそうですよね。あの、こういう苦しい時、悩んでる時って、人に話したら楽になるっていうじゃないですか。私で良かったら、お話をききますよ。」
僕は
「あの僕芸人で、いま収録終わったんですね」
運転手さん
「あそこ、スタジオですもんね。」
僕は
「実は、100℃のブクブクに沸騰した、おでんの餅巾着を食べた物には賞金を全部総取りできるという企画があって、僕、100℃の沸騰しまくった餅巾着をお箸で口に入れようとしたんですが、熱すぎて、はじき返してしまったんです!!! 食べれなかったんです! 熱すぎて」
運転手さんは
「食える訳ねーよ!!!!!! 食えねーよ!!! 100℃の沸騰した餅巾着なんて!!!! 悩まなくていいよ!!! 食える方が頭おかしいんだよ!!! もう悩まなくていいから!!! はい!!! 悩むのはここまで」
僕は
「僕、彼女すらいなくて、彼女とか家族とか守る者がいる人は、100℃のおでん食えてたんだろうなって思ったんです!!!!」
運転手さん
「家族がいよーが、いなかろうが、食えねーものは!!!! 食えねーんだよ!!!」
チャキチャキの江戸弁で
ドーン!!! と言われた
なんか
60歳の女性運転手に
すごく励まされた
ありがとうございます!!!!
そして
もうひとつの話は
先日
御世話になっている
『水曜日のダウンタウン』
に呼ばれた
企画内容は
「オナラとゲップ 同時に出すのは至難説」
オナラを出しやすく
スタジオには
お芋や、バナナ、チーズや、ゆで卵
オナラが出やすい食べ物が揃っていた
あと
ゲップが出やすい炭酸水が
たくさんあった
メンバーは
かもめんたる う大君
ハイキングウォーキングのQ太郎君
レインボーのジャンボたかお君
オダウエダの植田ちゃん
ザ・マミィの酒井君
あかつ君
チャンス大城で行われた
音の専門家の人が
音声を
細かく撮っていて
オナラとゲップの
ピークが重ならないと行けない
もう
かもめんたるの う大君が
ゲップも
オナラも出しまくるのだ
かっこいい
ここまで出したら
かっこいいに変わるのだ
そして
オダウエダの植田さんが
唯一、女性の参加
オナラを出す時に
「うぅー」
すごく小さい音で
チワワの泣き声かと思い
すごくうけまくっていた
やばい
チャンス大城
全然オナラがでない
お芋を食べまくる
すごく焦る
普通くらいの
オナラが
2発しか出ずに
収録は終わった
悔しかった
前の日から
お芋を食いまくって
仕上げとくべきだった
次の日
オナラだす仕事と
わかっていたのだから
後悔が
TBSからの帰りのタクシーの中で
込み上げてきた
家についた
僕は
急に
トイレに生きたくなって
便座に座った
すると
お尻から
信じれないくらい
「ブゥ!!!!!!!!!ブゥブゥブゥブゥブゥ!!!!ギュウ!!!!!グリグリ!!!!!ブゥ!!!!!!!ブゥブゥブゥブゥブゥブゥブゥブゥ!!!ブゥ!!!」
まるで
デスボイスのような音が
これでもかと
長時間なった
「くそ!!!1時間半前に戻りたい!!」
この音を
カメラの前でしたら
水ダウを観てる
北海道から沖縄まで
大大大大大大大爆笑!!!!だったはず!!
僕は
トイレで
うなだれた
まるで
あしたのジョーの
最終回の
最後のページのように
僕は
ベッドで
横たわった
天井につるしてる
ムササビの ぬいぐるみを見つめていた
すると
中学の同級生
三木から電話がきた
三木のいきつけの
スナックに行こうと言われた
オナラが出なかった収録の後だったんで
普通なら家にいるのですが
何か
外にでも
出てやるか!!!
となった
三木と待ち合わせして
スナックにいった
店に入ったら
65歳くらいのママさんで
すごく
昭和感のある
お店だった
僕はママさんに
イリオモテ山猫の顔をしながらフクロウの鳴き声を
マイクでやったら
ママさんは大爆笑!!!
小学生のランドセルについてる
防犯ブザーの音や
F1カーの音や
ママさんにうけまくった
そして
僕は
カラオケのエコーのレバーをあげて
エコーをきかせて
マイクを
お尻にあてて
大強烈な
オナラをした
店内は
エコーがきいた
オナラの音が
「ブゥワ〜〜〜〜!!!!ブゥワ〜〜〜〜〜〜〜〜!!!ボェゥ〜〜〜〜〜〜!!!!ブゥイゥ〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!ブゥ〜〜〜〜〜!!!!!!ブリィゥ〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!」
三木は
大爆笑で
床に崩れ落ちていた
ママさんは
「お前・・・・なめてんのか?」
ママさんは
怒っていた
「初対面で、しかも、マイクで大きなオナラの音をだすって、何がオモロイねん?」
僕は
「すみません」
と言った
ママさんは
「こんなんが、オモロイ思ってるようじゃ! まだまだやぞ! 絶対売れへんぞ!」
僕は
「実は、今日オナラを出す収録があって、全然出なくて、無茶苦茶悔しくて、お芋とか、たくさん食べてるのに出なくて・・・」
とか
自分の悔しい気持ちを
家に帰ってから
強烈なオナラがトイレで出たと
ママさんに
悔しい気持ちを
全部話をした
すると
ママさんが無言で
デンモクに
番号を押して
カラオケ入れ出した
曲が流れてきた
ママさんが
「知らず〜♪知らず〜♪歩いてきた〜♪細く長い〜♪この道〜♪」
頼んでもないのに
美空ひばりさんの
『川の流れのように』を
歌い出した
僕は
ジーンときた
歌い終わったママさんは
「川の流れに、さかわらずに無理なく生きて行けばいいんだよ。」
と言われた。
情の深い
あったかい
優しい
女性に
この短期間で
2人も出会ったという
お話です
しかし
オナラが2発しかでないくらいで
ウジウジしたり
100℃0
餅巾着食べれなかったくらいで
ウジウジする俺は
人間に向いてないな
チャンス大城「俺は人間に向いていない」シリーズ一覧はこちら
https://story.fany.lol/story/chance
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