俺は人間に向いていない

チャンス大城

第2話 俺は人間に向いてない~片想い編~

2年間

結婚を前提に片想いしてる女性を

 

2025年6月

 

僕は、諦める事を決心した。

 

2年間長かったなぁ。

 

嫉妬嫉妬嫉妬嫉妬の連続やったな。

 

くそ!! たくさんのLIVEや! テレビで!

あの娘を笑わせて来たのに!!

なんで僕の事を好きにならないんや!!

 

苦しかった!!

 

だんだん腹立ってきた!!

あの娘の顔思い出しただけで

ムカついてきた。

なんだったんだ。この2年は。

 

僕は、あの娘の事が好きすぎて、苦しんでいた。

 

「恋を楽しめないやつは、舞台を楽しめない」

 

という名言がある。

 

最初の頃は、恋を楽しんでいた。

しかし、去年フラれてから、すぐに忘れられると思ったけど。

忘れられなかった。

 

その後の片想いは、ずっと苦しい時間が続いた。

 

友達の社長が

一泊二日で韓国に行こうと誘われた。

 

韓国に、好きな人を忘れさせてくれる

催眠術師がいるみたいだ。

 

僕は韓国に行く決意をした。

 

僕は

社長と飛行機で

韓国に行った。

 

すぐに

催眠術師の所に

 

汚い路地を入っていった

看板もない

汚いビルの1階の古い扉をあけたら

 

おじいさんと

おばぁさんがいた

 

おばぁさんは

片言の日本語を喋れた

 

さっそく忘れさせてくれるみたいだ。

 

煙を焚いて

薄暗い部屋に、蝋燭が何本がついていた。

透き通るような声の韓国の女性歌手の音楽が流れ出した。

 

糸に吊るされたコインを

ひたすら見ていてくれと。

 

おばぁさんに言われた。

 

なんだかコインを見ていたら眠くなってきた。

 

そして催眠術終了。

 

僕は、あの娘の事が好きじゃなくなっていた。

 

僕は

催眠術のお金は

絶対自分で払いたかったんで

社長に出させなかった

日本円で三万円した

 

その日の夜は、社長と

テントの飲み屋で

ご飯を食べた。

 

あの娘の事が

本当に本当に本当に本当に本当に

好きじゃなくなっていた。

 

新しい自分に脱皮したような感覚になっていた。韓国の夜だった。

 

次の日は、

服屋さんとか

まわって

すぐに帰った。

 

羽田空港に着いて

タクシーに乗った。

 

タクシーが走り出して10分後

とんでもない事に気づいた。

 

僕は

あの娘の事が

大好きという気持ちに戻ってたのである!!!!

 

おおおおい!!!

三万返せ!!!!

じじぃ!!!

 

僕を韓国まで行かして

苦しめる

あの娘に

ますます腹がたってきた!!

 

くそ!!

 

ぼくは、諦める決心をした!!

 

とにかく、諦める!!

 

 

 

諦めた時に

殺人事件で2人亡くなった事故物件に1週間住むという仕事が来た。

 

あの娘を諦めて、ポッカリ心に穴が空いてしまってるまま、事故物件の一軒家に1週間住むという仕事は、なかなかのなかなかだった

 

2日目の夜、事故物件の一軒家の和室で

早めに寝だしたが。

ドン!!! とか

チッ!!! という音がして、

なかなか寝れないのである。

ポルターガイスト現象が起こっていた。

 

僕は

シーバップをつけて寝るのを忘れていた。

 

僕のシーバップは初期型で

古いので、音がする。

 

プシューハァーーー

 

ダースベーダーの呼吸のような音がする。

 

あれ、プシューハァーーーという音が。

 

この家の、ポルターガイスト現象の音を消してくれる。

 

今後、事故物件に住む皆さん。

 

初期型のシーバップは、事故物件にいいですよ。

 

音を消してくれます

 

(何の話やねん!!!)

 

元々、幽霊に興味があって、僕が、この企画を考えて、1週間泊まりたいと、

テレビ局の方にお願いしたのに。

ビビリ倒して寝れないのである。

情けない。

 

怖くて寝れないから、近所の散歩をした。

疲れたら寝れるだろうという作戦だ。

 

すると

居酒屋「永吉」という店が出てきた。

 

お腹すいたなぁ。

ご飯でも食べようと、「永吉」に入った。

 

すごいロックな格好の

御夫婦さんのお店だった。

 

旦那さんは、キャロル時代の矢沢永吉を彷彿させるくらい、リーゼントが決まっていた。

 

年齢は60歳くらいの

かっこいい、オシャレな

御夫婦さんのお店。

 

矢沢永吉さんの大ファンで

店の中は

矢沢永吉さんのポスターや

グッズだらけで

TVは

矢沢永吉さんの映像が流れていた。

 

僕は烏龍茶と

ツマミを2品注文した。

 

テレビから矢沢永吉さんが

こんな事を言っていた。

 

「失恋したらね、自分の事をふった女性の幸せを願わないとダメだよ。その娘が幸せになるように祈らないと。でね、その娘が、辛そうな時、とても困った状況に陥った時は、一番に駆けつけてあげればいいんだよ」

 

僕は居酒屋「永吉」のカウンターで

泣いた。

涙がとまらなかった。

なんて自分は、情けないやつなんだ。

 

僕は自分の事しか考えてなかった。

 

そして矢沢永吉さんの器のでかさにビックリして。

 

なんかホンマに居酒屋のカウンターで僕は、矢沢永吉さんに抱きしめられているような感覚になった。カウンターで泣いていた。

 

 

あんな素敵な娘を、本気で好きになれて良かった。

 

 

2年間片想いしていた女性に、僕はなんで振り向いてくれなかったんだと。

ムカついていただけだった。

 

 

僕は

この2年の

あの娘が優しくしてくれた

シーンを

パシャパシャパシャと

 

自分の頭の中で

映写機のフィルムのように

編集された

映像が

流れ出していた

 

(ちなみ頭の中の編集された映像のBGMは

大森靖子さんの『Rudo』だった。

次回、大森靖子さんについて

あつく語りますね)

 

 

あの娘の幸せを願わないと。

そして、あの娘が困ってたら、駆けつけないと。

 

僕は間違えていた。

ありがとうございます。

矢沢永吉さん。

 

 

そう、その片想いの女性がいなかったら。

 

R-1グランプリで

間違いなく決勝行ってなかったし。

 

ここ2年

お笑い頑張れたのは

彼女のおかげなんです。

 

彼女の前で

かっこええとこ

見せたいと思ったら 

喫茶店で

たくさんネタ作れたし

頑張れた。

 

本当にありがとう🙇‍♂

2年間、結婚を前提に片想いしてた

あの娘よ。

 

R-1決勝の景色を見れた。

君のおかげだ。

 

 

 

君に幸あれ!!

 

本当に素晴らしい

天使のような

チャーミングな女の子

 

ありがとう!!!

 

君がいてくれたから

僕は結果を出せて前に前に進む事が出来たんだ!!

 

 

極道の妻たちの

原作者

 

家田荘子さんの本に

こんな事が書いてあった。

 

真剣に相手の事を好きになったんだから

 

失恋も真剣に向き合えばいい。

 

そうだよな。

 

真剣に愛したんだ。

 

真剣に失恋と向き合えばいい。

 

 

そして

真剣に

あの娘の幸せを願う!!

 

あの娘が困ったときは

駆けつける!!!

 

君よ!! ありがとう!!!

 

 

2年間

ほぼ、デートに

お誘いする根性も勇気もなく。

情けなさ丸出しの片想いだった。

 

しかし

2年間あの娘を本気で好きだった気持ちは

僕の誇りです。







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