あなたと私のエレガント人生
エレガント人生(中込悠・山井祥子)
第14話 エレガント人生‘25(中込悠)
ごめんな祥子。
オシャレを楽しめる季節になってきたから、なんとなくハッピーな展開を期待してファッションの話題を振ったんだけど、とんだ悲劇を語らせることになってしまったみたいだね。
とは言え、小学生で薄紫色のタンクトップをチョイスする辺り、今よりも少し捻くれている祥子をそこに見ることができて微笑ましかったよ。
さぁ、そして今回は『今年一年の振り返り』ということである。
なるほど、2025年の締めくくり回としてぴったりなテーマだ。
振り返ってみれば、今年も色々なことがあった。
まず、新年早々エレガントハウスを引っ越した。僕らのことをあまりよく知らない読者の方は、突然“エレガントハウス”なる奇奇怪怪なハウスが登場したことで読み進めることを躊躇しているかもしれないが、要するにエレガント人生が生活をしたりコント動画を撮影したりする、言わば我々の拠点のことである(より詳細な説明を希望する方は『エレガント人生 エレガントハウス』で検索!)。その拠点が少しばかりバージョンアップしたのだ。
旧エレガントハウスでは基本的にリビングで動画撮影をしていたのだが、新エレガントハウスには動画撮影専用の部屋がある。この部屋はコント動画撮影に必要な機材、衣装、セット等を集約させた超クリエイタールーム……になる予定だったのだが、現時点では置き場に迷った“体幹を鍛えるためのバランスボード”やら“座ることも寝ることもできるふわふわクッション”やらがのさばっていて、クリエイタールームなどというモダンな響きからはおよそ想像し難い様相を呈している。
そうは言っても、この部屋から今年もたくさんの愛すべきコントキャラクターが生まれた。住居としても非常に生活しやすく、我々はこの新エレガントハウスを気に入っている。これからもたくさんのキャラクターと思い出をこの家で生み出していきたい。
また、単独ライブを初めて大阪で開催できたことも大きなトピックだ。単独ライブの日本全国ツアーが一つの夢であるエレガント人生にとって、東京以外の地で、しかも満席で公演を
行うことができたのは、とても喜ばしく価値のある一歩となった。
エレガント人生の単独ライブ、通称エレガントライブは毎年少しずつ少しずつ大きくなっている。有楽町シアターでの記念すべき第一回。憧れのルミネtheよしもとでの第二回。初めての複数公演となった第三回。そして初遠征の第四回。この「ゆっくり、着実に」のペースが実に僕たちらしくて良い。来年も、劇的にとは言わずとも、確実に成長したエレガントライブをみなさまにお届けすることをここに誓う。
他にも色々なことがあった。動画や単独ライブ以外の様々なお仕事はもちろん、プライベートでも、意外とわかめそばが好きだという発見があったり、一目惚れで買った帽子を二日で落としたり、喜も哀も大小含めてたくさんあった。
だがしかし、今年を振り返ろうと目を瞑ったとき、まぶたの裏に最速で浮かび上がってくる出来事はやはり『結婚』であろう。
プロポーズから入籍、そして発表とそれに伴う取材やインタビュー。さらに周りの方々にもたくさんお祝いをしていただいており、今年は年始から年末まで思い出の大部分が『結婚』によって彩られている。
結婚発表以降、街を歩いていると本当に多数の方々から「おめでとうございます!」と声を掛けていただく。この上なく幸せなことだ。心底うれしいし、毎度温かい気持ちになる。
そしてSNS上では、“理想”や“希望”というとてつもない表現で我々の関係を語ってくださる方も少なくない。“新しい形”として取り上げていただくこともある。非常にありがたいことだし、光栄なことだと思う。
……と同時に、多少の戸惑いを感じているのも事実である。
なぜなら正直なところ、僕たちがそれほど色々なことを考えていたわけではないからだ。
そもそもの結婚に対する想いとしてはもう少しシンプルで、「一番大切だと思える人と少しでも長く一緒にいたい」だった。
だから、結婚に関する取材を受けている中で驚いてしまうことがよくある。
「友情結婚をされたおふたりに、それぞれ恋愛的に好きな人ができたらどうしますか?」
考えたこともなかった。きっと、“交際ゼロ日婚”や“友情婚”という新鮮で強烈なワードが
前面に出過ぎている故なのだろうが、本当に頭の片隅にもないような考えのため、その度に面食らってしまう。
違う、違うのだ。
確かに僕たちは交際期間を経ていないし、ものすごく仲のいい友達と結婚した。でもそれはあくまで事実としてあるだけで、“交際ゼロ日婚”や“友情婚”という枠組みを選択したということではない。以前に祥子も書いていたが、お互い相手に対して何種類もの愛があって、いちいち「これは恋愛的な愛だ」とか「これは友情的な愛だ」とか分別しているわけでなない。というか、そんな分別を完璧にできる人などいるのだろうか。そうではなくて、様々な情が入り乱れて、その全部を含めた大きな愛が存在するだけなのである。
そのため、上記の質問に回答するならば「祥子への愛を超える相手に出会うことは難しそうなので、どうかご心配なさらず」となるだろう。
今書いたことだって、「よく考えてみれば、そう」というだけのことだ。常にそんなことを考えながら結婚生活を送っているわけではない。
僕と祥子の関係はあくまでも僕たちのものでしかなくて、無数にある人間関係の一つに過ぎない。それは決して新しい形でもなければ、既存の形でもない。もっとぼんやりした僕たちだけの関係で、僕たちだけの結婚なのだと思っている。
だからきっとこの先、“理想”だと感じてくれる人の想いに、我々が背いた行動をとってしまうこともあるかもしれない。好意的に捉えていただくことが多い分、そういう機会も増えていくだろうなぁと少々不安に感じているのが本音だ。だけど僕たちは、僕たちが幸せだと思える夫婦生活を送っていく他ない。まだまだ始まったばかりなのだ。どうかみなさん、熱視線までいかない“ぬる視線”で我々夫婦を見守っていただけたらとてもうれしい。そして我々が老夫婦になった時なお、「やっぱりあんた達はいい夫婦だねぇ」と思ってくれたなら、そのときは未来のエレガントハウスで一緒に日本酒をひっかけましょう。
何にせよ、2025年は間違いなく一生忘れられない年になった。エレガント人生がまた少し前に進み、かつ、また新しく始まった年だった。こうやって振り返りたくなる一年をこれからも積み重ねていきたい。
そしてみなさま、今年もエレガント人生を応援してくださって本当にありがとうございました。みなさまの温かい声に支えられる日々です。来年もお互い素敵な一年にしましょうね。
さて祥子、次の更新は2026年だね。せっかくだから新年の抱負とか、挑戦したいことを聞かせてもらってもいいかい? あと、来年もよろしくね。
※次回の更新は、1月15日(木)の予定です。